借金が3000万ある小さな喫茶店。

いよいよ、信用金庫の桂くんが来て、「ナタリーさん達のことを思ったら、ホントは立場上自分が言ってはいけないことではあるけど、、自己破産もテだと思います、、」。桂くん曰く、やはり、積もり積もったものが大きいだけに、一度ここいらへんでリセットして、やり直してはどうかという話だ。金を貸した側がいうことではないが、桂くん個人として、我らのことを考えていてくれているとみた。ただ、私は、どうしてもこの店は残したいと思っているので、そこをどうするか、、。長男に全て譲り渡した形にして、私たちが雇われているようにして、なんとか、残せないかなと思う。もっと云えば、やはり、自己破産などせずに、全て返していきたい!3000万も!なのか、たかが3000万!なのか、、。日々送っていると、3000万も!と思う日もあれば、いやいや、たかが3000万さ!と思う日もある。つまらない話を聞きつけて、「借金のことでここの噂話をしている人がいたよ」と

わざわざ言って来る川下さんなど、以前の店からの常連のクセして、「敵か味方か、、」とこっちの気を翻弄しているとさえみえる。こういうヤカラは、悪口を食べて生きている妖怪みたいなものだと思っているので、ハナっから人間ではないと思っているのだが、こんなくだらない話で自分の立ち位置のバランスをとっている人は確かに多いなと思う。それもこれも、私たちがこんな状態になってこそわかることであって、平凡に暮らしていたら、、わからなかったことだな、、。

そう考えればですよ、、そう考えれば、、やはり、このスレスレの状態、もしや明日、一家心中、、ないけど、、それはないね、、こんな状態でも、日々は楽しい、、いや、綱渡りな、空中ブランコな、バンジージャンプな、スカイダイビングな、引田テンコウな、スパイダーマンな、、こんな日々ギリギリの状態は、もはやよろこばなくてはならない領域にあるのかなと、思うわけです。これがために聞けるありがたい話やら、「こいつ絶対ゆるさんわい!殺したる!」とめったに思わない感情がフツフツわいてくるのは、ひとえに、3000マンという借金のおかげさまであって、普通の生活では味わえないドラマティックさ。 私の執筆のネタにさえなっている。 やっぱり頑張ってみたいな、、3000万。 神様からの借金3000マンとも解釈しているので、 これは帳消しにしないほうが良いのではないかとも思うんですけどね、、、。 つづく、、。